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モーガン

メイ様が薬屋に入った。とっさに毒かと思ったが、これまでの経緯を考えれば、また誰かを毒殺しようなどというのは少し馬鹿げている。私は彼女の背後から店に滑り込み、一列か二列離れた棚越しに様子をうかがった。彼女の視線は忙しなく棚を走査している。私は護衛に手信号を送り、後ろに下がるよう命じた。

メイ様が店主に近づくのを見守る。声は低く、切迫していた。彼女が店主に何かを囁くと、その目は不安げに左右をきょろきょろと動いている。店主は頷いた。彼はカウンター裏の隠し棚に手を伸ばすと、小さな小瓶を取り出した。メイ様はその小瓶を受け取ると衣の中にしまい込み、踵を返して、私に目もくれず足早に通り過ぎてい...

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