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ツネオ

俺は眉をひそめて彼女を見た。彼女は視線を逸らしている。タロフがくすりと笑い、俺は彼女の言葉の意味を悟った。笑みを浮かべて彼女を引き寄せ、体に触れる感触を楽しみながら、俺たちの間に隔てるものが何もなかったらどう感じるだろうかという思考を押し殺した。

「ベッドでの修練と求愛は、まったくの別物だ……。片方のほうが、もう片方よりずっと簡単だがな」

若い娘を寝室に誘い込むのは、あまりにもたやすいことだった。俺は皇太子なのだから。相手が俺に喜びを与えてくれる限り、喜びを与えることなどさらに簡単だ。それに、自分が抱きたいと思わない相手を寝所に連れ込むような趣味はない。

「私には……そういうこ...

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