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モーガン

ツネオはほとんど動じる様子を見せなかった。他の家族たちは、居心地悪そうに身じろぎしている。私は彼を見つめた。彼は瞬きをし、もう一度瞬きをした。その瞳が揺らめき、やがてゆっくりと、這うような笑みがその顔を支配していった。

それを見て、私の心臓は早鐘を打った。彼は邪悪に見えた。獰猛に見えた。血に飢え、奇妙なことにそれを喜んでいるようだった。

私は身震いした。意識の奥底で、パイラがため息をつくのが聞こえた。

『まずいわ。彼にその決闘を受けさせては駄目よ』

なぜ私が彼を止められるなどと彼女は思ったのか、不思議でならなかった。

「俺に挑むというのか?」

ツネオが尋ねた。その声はい...

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