149

モーガン視点

ミズキが取り乱すのはいつものことだし、むしろ滑稽ですらあった。ツネオは彼女に目もくれなかったが、ゴロは少し狼狽しているようだった。

「モーガン、ここにいたとは」

「残念ね」私は言った。「当主として、もっときちんとした挨拶をすべきじゃない?」

彼は顔をしかめ、アデルは私と彼を交互に見やった。

「モーガン、お前……」

「私の妻に気安く話しかけるな」ツネオが静かに言った。「彼女は皇太子妃だ。私の妻なのだぞ」

ゴロの体が強張り、ミズキが勢いよく立ち上がった。「そんなの嘘よ! 私があなたの妻になるはずだったの! 選ばれたのは私だったのよ」

ゴロが頷く。「その通りです、殿下。モーガ...

ログインして続きを読む