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ハヤト

「言い訳はできません。私は追い詰められ、孤独でした。怖くて……それに兄が……」

彼女の声は震えていたが、つばを飲み込み、背筋を伸ばした。

「行動であなたを裏切ったことはないかもしれませんが、ある種の裏切りであることに変わりはありません。申し訳……ありませんでした。あなたが適切だと判断される罰なら、どんなものでも受け入れます」

話している間、彼女の心の中にある葛藤が見て取れた。一言一言が、彼女の心に重くのしかかっているようだった。その告白には、どこか脆(もろ)さが漂っていた。私は答える前に、彼女の言葉を少しの間、宙に漂わせておいた。

「こっちへおいで」

彼女はびくりと身を震わ...

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