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ハヤト

男の顔から血の気が引いた。

「どのような手段を講じようと、あなたたちにツネオを御することなど不可能です。彼はあなた方の誰よりも優れた戦士であり、誰よりも強大な力を持っている。それに、私の夫のような慈悲深い心も、楽観的な考えも持ち合わせていないわ。ほんの些細な挑発でもあれば、彼はあなたたち全員を塵も残さず斬り捨てるでしょうね」

彼女は不敵な笑みを浮かべた。

「……それが怖くてたまらないんでしょう? 当然ね」

「王妃――」

「王妃に対し、礼儀をわきまえろ」俺は彼を睨みつけた。「さもなくば、その態度を理由に地下牢へ放り込むぞ」

男は口ごもった。「へ、陛下……」

「言い訳はいい...

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