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ハヤト

評議会は静まり返り、場の空気の変化を警戒していた。何人かの長老は安堵の表情を浮かべていたが、動揺を隠せない者もいた――やがて自分たちに責任が問われることになるのだという予感と恐怖が入り混じった顔つきだ。

俺は広間を出て、馬に乗った衛兵の一団と共に王都へと向かった。風には火と灰の匂いが混じっていたが、実際に何かが焼き払われたようなきな臭さではない。それはまるで、市場の商人たちが調理のために火をおこしたものの、何らかの理由で中断された――そんな匂いだった。

落胆せざるを得ない光景だった。これまで、市場から出来たての料理の香りがしなかったことなど一度もなかったのだ。今の王都の惨状を見た...

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