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ツネオ

その男は恐怖に顔を引きつらせていた。タロフがいったいどんな表情をしているのか、俺はいぶかしく思った。奴から立ち昇る殺気が、肌に伝わってくる。

「最後にもう一度だけチャンスをやろう」

タロフはそう言い放つと、一歩下がって残りの連中にも魔法をかけた。地面を引きずられるようにして一列に並べられた彼らは、意識が朦朧とした状態から徐々に覚醒していく。

「貴様らは何者だ? 誰の差し金だ? ここでの目的は何だ?」

一人が牙を剥くように唸った。「我々は決して裏切――」

その首が宙を舞った。残りの者たちが小さな悲鳴を上げて飛び退く。鮮血が空中に噴き出した。男の死体は前のめりに崩れ落ち、その首...

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