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ツネオ

モーガンが目を細めて俺を見つめる。「ツネオ?」

俺は水を顔に近づけ、指の上に一滴だけ垂らした。薄暗がりの中ではほとんど見えないが、そこには確かに、薄く油のような膜が残っていた。

「この水、手が加えられているな」俺は張り詰めた声で言った。「毒だ。それと……何か別のものも混じってる」

「触っても平気なの?」モーガンが目を丸くして尋ねる。

俺は軽く笑った。「俺や君に効くような種類の毒じゃないさ……少なくとも、触れただけでどうこうなるものじゃない」

彼女は一歩近づき、俺の肩越しに覗き込んだ。「この辺り一帯に影響が出ていると思う?」

「おそらくね」俺は水面のすぐ上で指を走らせ、肌に...

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