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ツネオ

彼女は刃に炎を宿した。その光に照らされ、石が痙攣し、身震いしているかのように見える。熱気が辺りに充満して池の水流を掻き乱し、まるで漂う稲妻のように空へと立ち昇っていった。

モーガンは深く息を吸い込み、防御の構えをとった。

「石を壊した瞬間、反動が来るかもしれないわ。覚悟して」

俺は頷いた。タロフが切っ先を定め、俺たちは鋭い弧を描いて剣を振り下ろした。石が一刀両断される。鋭い破裂音が空気を切り裂き、石から闇の力が噴き出した。渦巻く影の塊となって、俺たちに押し寄せてくる。俺はよろめきながらも、間一髪で剣を掲げて衝撃を受け流した。だが、その力は凍てつく炎のように俺の肌を焼いた。

そん...

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