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ツネオ視点

俺はモーガンの顔を自分の肩に押し付けた。俺たちは共に彼女の剣の柄に手を伸ばす。すると突然、落下の感覚が消え、まるで提灯のように宙に浮き、漂いながら洞窟を滑り降りていった。身体がほとんど無重力になったように感じる。彼女の剣に、元からこんな能力があっただろうか? 竜のような牙を持った怪物どもは、未だ不定形のまま、シュウシュウと音を立て、カサカサと這い回り、金切り声を上げながら俺たちの後を追ってくる。

鼻をつく臭気に胃が裏返りそうになるが、理屈に合わなかった。なぜこんな場所に人の血があるんだ? どうして?

俺は眼下の地面へと視線を向けようとした。

『見るな!』

タロフの強い制止...

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