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モーガン視点

パイラが彼の視線から身を縮めるのが感じられた。彼女は彼に対して明らかに恐怖を感じており、彼もそれに気づいているはずだ。だが、彼は気にも留めていない。私は奥歯を噛みしめた。

「言ったはずよ。私はモーガン。それなりに礼儀をわきまえて呼んでちょうだい」

彼はくつくつと笑った。「なんと激しい気性だ。あの野獣にお前は勿体ない……。年月が経てば、お前もそれに気づくと思っていたのだが、どうやら……より一層、威勢がよくなっただけのようだな」彼は鼻で笑った。「それとも、単に愚かになっただけか」

数歩離れた場所でハルカと話していたツネオが、こちらに意識を向けた。表情こそ穏やかなままだったが、...

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