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モーガン視点

ツネオの言葉が玉座の間にこだますると、ハナミの顔から血の気が引いた。彼女は目を見開き、私たち二人を見つめる。彼女の隣にいた男は顔を真っ赤にしていた。

「よくも言いがかりを! 何者だ? 本物の龍王なら味方を知っているはずだ――妻の家臣を知っているはずだぞ」

ツネオは再び笑った。足元の磨き上げられたタイルが、薄暗い光の中で鈍く輝く。周囲の影がいっそう濃くなり、張り詰めた空気が低く唸りを上げた。彼から放たれる力が、波紋のように空間を伝わっていくのが肌で感じられる。ハナミは刻一刻と青ざめていくが、連れの男はそのことに気づいていないようだ。私は彼女が気丈に振る舞おうとする様子を観察し...

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