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モーガン

「そうだな」ツネオは答えた。「だが、実行するなら相応の覚悟が必要だ。ヴェールが開けば、良くも悪くもすべてが変わってしまうからな」

私は頷き、通ってきたポータルにたどり着いた。人間界から天界への移行は、まるで隣の部屋へ歩いて入るのと何ら変わらない感覚だった。天界の夜の、冷たく澄んだ空気が私たちを包み込む。宮殿の回廊の馴染みある光景が、私の罪悪感を一層強くさせた。

「もっと物資を送らないと……。みんながあんなに……時間の重みに疲れ果てた姿で戻ってくるなんて、ひどすぎるわ」

「きっと何か手はあるはずだ」

ツネオは私の腰に腕を回し、私たちは自分たちの部屋へと歩き出した。言葉こそ交わ...

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