CH200

ツネオ

刹那、彼はドラゴンの姿へと変じ、巨大な翼を広げて彼女に向かい突進した。

彼の爪が彼女の胸を引き裂いた瞬間、俺は息を呑んだ。彼女は喉を詰まらせ、激しく痙攣したが、炎は次第に鎮火していった。タロフはその場に崩れ落ち、彼女を腕の中に抱きかかえた。強烈な吐き気が込み上げてきた。彼らを取り巻き、すべてを貪り尽くし、逃げ惑う者たちを追い立てる荒涼とした闇。それは冷酷で、凄惨だった。

あの山のことを思い出させた。

炎がついに消え去ると、パイラはタロフの腕の中で動かなくなっていた。彼は彼女の上に身を屈め、体を揺すりながら、愛していると告げ、戻ってきてくれと懇願した。

だが、彼女が戻ることはな...

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