CH211

ツネオ

要塞への道のりは、最初は静かなものだった。石畳を叩く俺たちのブーツの音が、遠くの街の喧騒と混じり合っている。あえて会話を始めようとはしなかった。アンゾと話す気分ではなかったからだ。今、彼女がどんな顔を見せようとも、俺を苛立たせ、殺意を抱かせるだけだろう。

タロフはユウマとの一件で未だに煮えくり返っており、いつやつの胸に手を突っ込んで心臓を引きずり出してやるかと画策していた。モーガンが一緒に来てくれればよかったのだが。アンゾの存在は、まるで皮膚の下に入り込んだ棘のように俺を苛立たせる。

『何かが起きた』タロフが唸った。『アンゾが俺のパイラに何かしたぞ。今すぐ殺すべきだ』

俺はかぶ...

ログインして続きを読む