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モーガン

パイラの嘆願が頭の中で響き渡ったが、私は動かなかった。ツネオは攻撃を仕掛けるようには見えなかったし、ましてや殺気など感じられなかった。だが、空気の中で不穏に渦巻く闇が私の神経を逆撫でし、胃をきりきりと締め付けた。

『モーガン!』

「貴様ら、この皇太子に武器を向ける気か?」ツネオが低い、危険な声で唸った。彼のオーラが燃え上がり、近くにあるすべての闇溜まりに影を落とす。松明の火が揺らめき、今にも消えそうだ。

「本当にあの方だ……」

「まさか……」

「黙れと言ったはずだ!」彼が咆哮し、全員を黙らせた。「誰か一人が、リュウヤマ家が何の罪に問われているのか、そして誰に告発されたのかを...

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