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ツネオ

「上等だ!」

ユウマはそう叫ぶと猛然とダッシュし、行く手を阻む悪霊たちを切り裂き、突き進んでいった。

俺も無駄口を叩くことなく、すぐに彼に加勢した。一息つけるだけの空間を確保すると、ユウマは懐から護符を取り出し、発動させた。放たれた光は以前ほど強くはなかったが、それでも十分だった。俺たちは壁に向き直り、登り始めた。手探りで岩肌を掴み、爪を立て、必死に這い上がる。岩の影にはまだ怪物が潜んでおり、それらを避けながら進む俺たちの息は荒かった。一秒一秒が永遠のように長く感じられ、護符の光は今にも消え入りそうに明滅している。

「止まるな!」

俺は怒鳴り、ユウマを急かした。彼は登攀...

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