237

モーガン

破滅的なことになる。その思考は、止める間もなく私の頭の中を駆け巡った。

もし〈虚無の泉〉がこの領域に溢れ出せば、単に宮殿を破壊するだけでは済まない――すべてが崩壊する。領域間の均衡も、世界の理(ことわり)も……それを抑え込む私のタロフがいなければ、何もかもがバラバラになってしまう。

『なら、あそこへ行くのを手伝って!』

私は敵を押し退け、突き、蹴り、斬りつけた。だが、敵の数は秒ごとに増えているようだった。

あの山にいた怪物たちと同じだ。私に、あるいはパイラに、もう一度呪文を唱える力が残っているかは分からない。だが、何とかするしかなかった。

敵の集団に壁際まで押しやられた。...

ログインして続きを読む