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ツネオ

「だが、お前ならきっと、心の平穏と強さを取り戻して、あの母親より長く生きることができるはずだ。彼女が罪を償うために幽閉され、死を待つ身となった今、お前が何を手に入れたのか。ただそれだけに目を向ければいい」

祝宴のざわめきが空間を満たす中、私の言葉だけが二人の間に漂っていた。誰も口を開かなかったが、その必要もなかった。タロフは私に、王宮での記憶、特に母親との関係を見せてくれていた。彼女はサンドバッグ同然の扱いを受けていたのだ。あの女はタロフの手当を取り上げては自分のために使い込み、娘の結婚の機会を潰し、母親の支配が及ばない場所では息すらさせないようにしていた。

バルコニーに座り、外...

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