CH26

モーガン

私は首を横に振った。「とんだ妄想ね」

「ミズキが浪費家で、父親が無能な男だって知ってたくせに、あんたは身を引いたのよ。この家の当主としての義務を放棄したんだわ。お父様もさぞかし恥じ入っているでしょうね」

私は彼女を睨みつけた。「面白いことを言うのね。あの男が無能で、その娘が浪費家だと知っていながら頭を下げておいて、よく私にそんな口が利けるものだわ」

彼女は顔を真っ赤にし、言葉を詰まらせたかと思うと、バンと机を叩いた。「話をすり替えないでちょうだい! あんたが跡を継ぐはずだったんだから、責任を持って何とかしなさいよ! 私たちだけでこの店を回していくなんて無理なの! その手に入れ...

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