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モーガン

空気中に満ちた魔力の脈動が、無視することも理解することもできない熱を私の中に生み出していた。それは欲望と焦燥の狭間にある何かだった。起きろ、動け、一日を始めろと、私を強く急き立ててくる。

だが、私は動かなかった。まだ、動かない。

儀式なんて待たせておけばいい。空が裂け、次元が衝突し、宇宙が永遠に変わってしまったとしても――今はただ、ここにいたかった。ほんの少しの間だけでも。

私は振り返ってツネオを見た。彼の腕は私の腰に回され、その温もりが私をこの場所に繋ぎ止めている。彼の呼吸はゆっくりと均一で、その寝顔は普段とは違ってリラックスしていた。昇り始めた「コンパス」の柔らかな黄金色...

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