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ツネオ

彼女が不死鳥の台座に足を踏み入れた瞬間、赤金の炎が爆発的に噴き上がった。その炎は、俺がこれまで見たどんなものよりも眩しく、凄まじい熱気を放っていた。光は目を焼くほど強烈で、俺はとっさに手で顔を覆った。炎は空へと渦巻き、彼女の周囲に溶けた輝きのようなドームを作り出した。

「モーガン!」俺は叫んだ。その声は恐怖で裏返っていた。

列席していた高官たちが息を呑み、後ずさる気配がした。群衆の間に衝撃と恐怖のさざめきが波紋のように広がる。だが、そんなことはどうでもよかった。俺の意識は完全にモーガンに向けられていた。轟音を立てる業火の中に、彼女のシルエットがかろうじて見えた。

「モーガン、伏...

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