CH270

ツネオ

違う。それが避けられない運命だなんて、信じるわけにはいかなかった。そんなはずはない。もう何世紀もの間、『招集』など行われてこなかったのだ。必要なかったからだ。

だが、虚空からか、あるいは門の彼方からか、小さな声が「これは定めのことなのだ」と囁いてくる。それだけではない。台座が俺を引き寄せ、手招きしているのを感じた。それに逆らうのは、強烈な睡魔や食欲に抗うのと同じような苦痛を伴った。俺はモーガンから目を逸らさなかった。彼女を見つめてさえいれば、その場に踏みとどまれるとでもいうように。

「タロフ」俺はもう一度呼びかけた。声が震える。「どうすればいいんだ」

これほど自分が幼く、無力だ...

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