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レン視点

胸の中で心臓が早鐘を打っていた。私は息を潜めた。

「バルコニーでヤるには寒すぎるだろ!」男が答えた。「俺のイチモツを凍らせてえのか?」

別の女が笑った。「中はあったかくて気持ちいいわよ、心配しないで。私に世話してほしくないの?」彼女は歓喜ともとれる甲高い声を上げた。

もう一人の女も笑う。「落ち着きなさいよ、野獣さん。私だって欲しいんだから……」

やがて喘ぎ声が聞こえ、男が再び何か言いかけたところでドアが閉まった。

私は身震いすると、先ほどよりペースを上げて移動を再開した。シーツの長さは、三階から二階の下半分あたりまで降りるのがやっとだろう。おそらく、並木の上あたりだ。

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