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リュウ視点

俺は首を横に振った。タイガー・シンジケートが俺に対して動きを見せているが、それはまるで俺の忍耐を試しているだけのようにも思えた。奴らは普段から大胆だが、ここまでではない。「亀」どもが奴らを焚きつけ、モーガンの父親の件での話し合いにかまけている俺なら気づかないだろうとでも思っているのかもしれない。

「俺は――」

ノックの音が俺の言葉を遮った。

「入れ」

ドアがスライドして開き、部下の一人が入ってきた。脇にファイルを抱えている。

「頼まれていたものです、ボス」そう言って彼はファイルを差し出した。

「ご苦労」

俺はファイルを開いた。最初に目に飛び込んできたのはレンの写真だ。公的な記...

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