CH327

レン

生唾を飲み込んで頷くと、彼はグラスを私の口元に戻し、少しずつ飲めるようにしてくれた。一瞬、彼から目を逸らすことができなかった。水を飲んでいる間、私たちの視線は絡み合ったままだった。

聞きたいことは山ほどあったが、そのどれも言葉にできなかった。彼の目は私の口元に釘付けだった。その瞳には胃の奥が疼くような熱い欲望が宿っていたが、表情そのものは無機質だった。瞳の奥に微かな光が揺らめいていなければ、彼が別のことを考えているなどとは思いもしなかっただろう。

「ここは大学病院だ」リュウは続けた。「最上階の特別病棟だ。もう安全だぞ。俺の許可なしには、誰もここへ上がって来られない」

私は頷き、口...

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