CH37

モーガン

混乱。それが最初に認識したことだった。頭がずきずきと痛み、荒い呼吸のリズムに合わせて鈍い痛みが脈打っている。目を開ける勇気はなかったが、空気に漂う香水の匂いだけで、私が宮殿に戻っていることは十分に分かった。

「ツネオ?」

「ここにいるよ」ツネオが優しく言った。彼が近づいてくる気配がする。「もう安全だ」

その声は聞き慣れた低い響きで、安堵の波が私を包み込んだ。

彼が私の手を取る。私の唇に、かすかな笑みが浮かんだ。

「この部屋に戻ってこれて……嬉しいなんて思う日が来るなんて……」私はささやいた。

彼は私の手を握り締め、軽く笑った。

「俺もだ」と彼は認めた。

暗い思...

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