CH39

ツネオ

彼女の味は、たまらなかった。彼女の唇から驚きの混じった微かな嗚咽が漏れたが、それはすぐに情熱へと溶けていった。モーガンはその口づけに身を委ね、腕を俺の首に回し、俺と同じだけの熱量で応えてくる。周囲の世界は色褪せ、王国の重圧も、政治的な混乱も、この瞬間の熱気の中で全て忘れ去られた。

ようやく唇を離したとき、俺たちは息を切らし、少し呆然としていた。彼女の瞳が俺を捉え、その奥には問いかけが揺らめいている。俺は無言で手を伸ばし、彼女の耳にかかった後れ毛を優しく直した。

「モーガン」俺は感情のこもった声で呟いた。「君に話したいことが山ほどあるんだ」

彼女の唇に微かな笑みが浮かぶ。「あとで...

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