CH61

モーガン

彼の瞳を見れば、心から喜んでくれているのがわかった。彼は私に優しく微笑みかける。音楽が最高潮に達し、やがて穏やかな吐息のように消えていった。最後の回転と共に、ツネオは私を静止させ、腰に添えられた彼の手が名残惜しげにそこにとどまる。私たちはしばしその場に立ち尽くし、ダンスの余韻に浸っていた。互いの吐息が空気中で混じり合う。彼の視線が私を捉え、そこには無言の問いかけが漂っていた。

私が身を乗り出し、彼もまたこちらへ傾こうとした、その時だった。

扉が激しい音を立てて開き、驚愕の息をのむ音が波紋のように広がり、魔法のような時間は打ち砕かれた。私は弾かれたように扉の方を向き、事態を把握し...

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