CH68

その考えに、体が熱くなった。だが、彼が私の気を逸らそうとしているのは分かっていた。私の手の下で、彼の心臓が早鐘を打っている。そして、まるで恐怖が薄れていくかのように、その激しい鼓動はゆっくりと落ち着き始めた。

「金の龍は統べるために……緑の龍は育むために……そして赤の龍は謀(はか)るためにある」

私はクスクスと笑った。「アリは赤の龍なの?」

「ああ」

私は唇を尖らせた。「つまり、カイも将来は策士になるってこと? あんなに可愛いのに」

ツネオは声を立てて笑った。「必ずしもそうなるとは限らない。鱗が生え始めるまでは、どんな龍になるか分からないからな」

「じゃあ、親の鱗が子供の能力を決定...

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