CH7

モーガン

逃げるべきか、それとも留まるべきか。迷う私の胸の中で、心臓が早鐘のように激しく打ち鳴らされていた。彼は私だと気づいただろうか? 無理やり連れ戻しに来たのか? もしそうだとしたら、二度目も生き延びることなどできるのだろうか?

彼と目が合った瞬間、全身の血の気が引いた。どうすればいい? 彼の視線が私の上をさまよい、濡れた服を確認すると、彼は手にしていたクリップボードを置いた。全身の筋肉がこわばり、今にも駆け出そうと身構える。だが、彼は微笑んで頭を下げたのだ。

「陛下、お会いできて光栄です……」

その声は驚くほど穏やかだった。瞳は明るく、興奮を帯びている。私はその場に立ち尽くし、こ...

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