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モーガン

ツネオの言葉は、彼がかろうじて囁いただけだというのに、まるで叫び声のように部屋中に響き渡った。彼の全身から力が唸りを上げて溢れ出している。部屋の影がいっそう濃くなったように見え、私はなぜ黒竜がこれほどまでに恐れられているのかを悟った。

私は手を伸ばし、彼の肩に触れた。彼から放射される熱が私の中へと流れ込んでくる。奇妙な感覚だったが、彼はゆっくりと私の方を振り返った。その瞳にはまだ熱が宿っていたが、もはや殺気は消えていた。彼が徐々に落ち着きを取り戻していくのを見守りながら、私は微笑みかけた。

「大丈夫よ」私は言った。「彼女を殺す必要なんてないわ」

部屋の向こうで、アリは...

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