CH84

モーガン

私たちは腕を組み、牧草地を横切って二本の木の方へと歩いた。その木々は互いに絡み合い、アーチ状の入り口を形作っている。そこは私が通ってきた門と同じ光で満たされており、ここが出口なのだと直感した。

「門を通っていないのに、どうやって私はここに来たの?」

「あなたは王宮の心臓部にいたのよ。あなたは王妃なの! あなたと王宮は、あなた自身もまだ理解し始めていないような形で繋がっているの……。真実は『ヴェール』にあるわ」

私は眉をひそめた。すると彼女は続けた。「いつかあなたも、どこにいても意のままにヴェールを開けるようになるわ。そうなれば、もっと楽しくなるわよ!」

私は含み笑いをした。...

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