CH85

ツネオ

俺たちは父上の部屋を出た。空気はひどく重苦しかった。出口に向かって歩く間、側室たちや長老たちの視線が背中に突き刺さるのを感じずにはいられなかった。彼らの囁き声は、まるで毒蛇が宙を這い回るかのようにまとわりついてくる。

俺たちはそれを無視した。彼女が何を伝えようとしているのか、俺はただそれが知りたかった。頭の中は思考でぐちゃぐちゃだった。心は感情の渦に囚われているようだった。怒り、混乱、そして何よりも不安が渦巻いていた。

モーガンが俺の手をぎゅっと握りしめた。

立ち止まって問い詰めたかったが、俺たちは無言のまま歩き続け、自分たちの部屋へと続く回廊に出た。それでも、胸に居座った恐怖...

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