CH93

タロフ

返事を待ってみたが、モーガンとの交渉は予想より少し長引いているようだった。統合が始まったせいで、もうこちらの声は届いていないのだろうか?

俺は目を細め、その『柱』を見下ろして状況を探ろうとした。

ツネオ……。俺はしゃがみ込み、意識の奥底で彼が身じろぎするのを感じた。『お前のモーガンについて、何か教えてくれないか?』

彼の笑い声が俺の頭の中をくすぐるように舞った。あまりにも馴染み深い、あの浮き立つような幸福感に、俺は思わずニヤリとした。この生涯においてさえ、俺が彼女に愚かしいほど惚れ込んでいると知れるのは、悪くない気分だ。

いくつかの映像が脳裏を過(よぎ)ったが、あまり鮮明では...

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