第123章 オークション

渡辺千咲都はそれらを一つ一つ断り、まずは相場を見てからこの水晶を売るかどうか決めることにした。

とはいえ、今回ここに来たことで、この種の水晶の価値は理解できた。

「その水晶のブレスレット、早くしまいなさいよ。じゃないと、いろんな人に声をかけられちゃうわ!」荻野加華が言った。

「このブレスレットがこんなに人気だなんて思わなかった」渡辺千咲は眉をひそめた。

山田美幸の話では、このブレスレットの水晶は火山で産出されたもので、だからこそこのようなクラックが生まれるのだという。

「そうよ!だってあなたのその水晶、すごく珍しいんだもの!それに、こういう晶石には滅多に出会えない。特にその中のクラ...

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