第23章 終末の世界の子供たちに大量の牛乳を注文する

翌日、渡辺千咲は早起きをして、残りのアクセサリーの処理を続けた。ベッドの下にあった二つの大きな箱は、もうほとんど空になりかけていた。

ふと空間に目をやると、中島暁が置いてくれた携帯電話が目に入った。今回は電源が入っている。向こうで電力を確保できたらしい。

渡辺千咲はこちらに合う充電器を持っていなかったので、携帯を開いて編集されたメッセージを確認した。

『彼らに代わって、食料に感謝する。写真もある』

写真まで? 渡辺千咲は好奇心に駆られてアルバムを開いた。この旧式の携帯にはどうにも慣れない。画面はタッチパネルではないのだ。

そこにあった一枚目の写真に、彼女は息を呑んだ。これは貧しい農...

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