第26章 中島暁の横顔だけ

フラッシュの光に照らされた彼の横顔は、シャープで落ち着いた輪郭を描き、鼻筋はすっと通って秀麗だ。

横顔だけ!

渡辺千咲は言いようのない緊張と、それに混じる期待と高鳴りを感じていた。

期待する気持ちと、残念な気持ちが入り混じる。どうして横顔だけなの?

彼女は携帯を充電し、明日目が覚めたら空間に戻すことにした。午前中は牛乳を運び、ついでに物資を買い込むつもりだ。

あちらの生活はあまりにも悲惨だ。特に子供たちは。中島暁の話では、少なくとも数十人はいるという。

その大半が孤児だというから、彼女は今日、町の市場へ行き、屠殺済みの豚を三頭、倉庫に直送するよう注文した。

一頭で二百斤にもなる...

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