第30章 誰かが基地の食糧を奪う

夜、鈴木由香は祖母と鈴木心優にLIMEでビデオ通話をかけた。

「千咲がさっき帰ってきて、服を買ってくれたのよ。晩ご飯も買ってきてくれたし! 心配いらないからね!」と鈴木心優が言った。

ビデオ通話越しに、鈴木由香はベッドの上にいくつものブランド物の紙袋が置かれているのを見た。あのブランドの服は安くないはずだ。自分が千咲に渡したお金では、おそらく一着買うのがやっとだろう。

テーブルの上にはほかほかの粥と、テイクアウトの小籠包もある。

二人としばらく話した後、鈴木由香はLIMEの通話を切った。

「もう何時だと思ってるの? まだご飯ができてないじゃないか。この婆さんを餓死させるつも...

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