第51章 伝染病

その男が伝染病持ちだったのかは分からないが、立て続けに何人かの男性にも病気が見つかり、基地の外へと追いやられた。

「基地の医者を呼んでこい」

基地の治療室では、以前の生存者グループにいた医師が、マスクを着け、体を防護服で厳重に覆いながら慌ただしく駆けつけてきた。

「見たところ、これは血性丘疹ですね。痒みと痛みのどちらを感じますか?」男性医師は尋ねた。

「少し痒いですけど、痛みはありません」病気の男はそう答え、丘疹をひとつ掻いた。

「先生、これは伝染病ですか?」男は緊張した面持ちで尋ねる。

伝染病であれば見捨てられ、死を意味するかもしれないと恐れていたのだ。

今や食料だけでなく、...

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