第56章 鍋の残りのスープ!持ち帰ります!

「寒くはない。任務中はマイナス十数度の中、野外を這いずり回っていたからな」石田亮が言った。

彼ら軍人にとっては、どんな悪天候も経験済みだった。

「中島さんは昔、ジャングルを横断したことがあるんだぞ!」

その話になると、彼らは皆、心からの称賛を惜しまなかった! 成功した者は誰一人いなかったのだ。中島暁が、その最初の男だった!

「危険な場所だったのですか?」渡辺千咲が推測した。

「無人地帯だ。ジャングルを駆け抜け、国際的に悪名高い麻薬密売組織を一つ壊滅させた」

彼らは皆、中島暁に深い敬服の念を抱いていた。

渡辺千咲は食事をあらかた終えていた。もともと夜食のつもりだったので、...

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