第71章 終末世界に行くのも出張

高田真の嫁は、自分たちと渡辺家は隣人同士で、二人の仲も悪くないと思っていた。

今、村はどこも畑を耕すので大忙しだ。今回、渡辺信一は多くの家から野菜を買い付け、村の半分近くを買い占めた。

「まだ渡辺信一には言ってない」高田真は眉をひそめて言った。

先ほど渡辺信一のスマホの画面が見えたのだが、娘から百万もの送金があったのだ。

自分の息子は、節句の時に一万送ってくる程度だ。

この五万でこれだけの野菜を買い取っても、まだかなり残るはずだ。

「だったら早く言いに行きなさいよ! 何を待ってるの! うちの畑はもう耕し終わったんだから!」

高田真はただただ不機嫌で、ぐずぐずしていた。どうして自...

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