第80章 無料でフルーツを配る

中島暁が担当するこちらの服飾工場も建設が完了した。設備は既存のものがあり、少なくとも二つの工場の工員がそのまま引き継げる状態だ。

「この服飾工場、なかなかいいじゃない」渡辺千咲はそう観察した。ただ、工場が少し小さいのが気になった。

「私が欲しいのは全部古代の衣装なの。服の原料は後で私が買うから、まずはいくつか試作品を作って見せてちょうだい」と渡辺千咲は言った。

「承知いたしました」服飾工場の責任者、高橋健一が答える。

「副基地長!」中島利里は渡辺千咲が服飾工場に来たと聞くや否や、慌てて追いかけてきた。

「私相手にそんなに他人行儀にしなくてもいいじゃない」

「千咲!これでいいでしょ...

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