第88章 快晴薬茶店

「このピンクのティーポットセットもすごく精巧ね!」小林沙夜はうっとりとした表情で言った。

「それなら一つプレゼントしてあげる。後で住所を教えて」と渡辺千咲は言った。

このピンクのティーポットセットは、山田美幸がちょうど焼き上げたばかりのもので、まだ陶器店に並べる前の品だった。

「今はまだ一人しか雇ってないから、とりあえず交代制でやりましょう」と叔母が言った。

「わかった」と渡辺千咲は答える。開店したばかりだし、それほど忙しくはないだろう。

「千咲姉さん、ここって元々はカフェ風だったのに、照明を変えて、小さな花をいくつか置いて、壁に絵を飾って、それにこのティーポットを合わせたら、一気...

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