第十章

「妊娠した?」

空見家の三人はほぼ異口同音に叫び、信じられないという顔で彼女を凝視した。

空見灯はしっかりと頷いた。

「ええ、彼の子よ。誰にも引き裂けないわ」

そう言って桐谷憂を連れ出そうとしたが、空見睦月に肩を強く按さえられた。

「姉貴、その子本当にこいつのか? 篠原流輝のじゃないって言い切れるのか?」

空見灯は篠原流輝と五年も付き合っていたのだ。何もないはずがない。

時期を考えれば、別れたばかりの灯が警備員の子を妊娠するなんてありえるか?

どう考えても篠原流輝の子だ。

それを聞き、花邑栞の目が輝いた。

「そうよ、あんだけ長く付き合ってたんだから、どうしてこの警備員の子...

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