第十三章

その夜、空見灯はまるで荒れ狂う海に放り出された小舟のようだった。何度も溺れかけては、そのたびに絶頂という名の岸辺へと打ち上げられる。

何度気を失ったか覚えていない。ただ、彼女の上に覆いかぶさる男の体力が、底なしの深淵のように尽きることがないということだけは確かだった。

翌朝、空見灯は枕元のスマホの着信音で目を覚ました。

頭が割れるように痛い。彼女は無意識に手を伸ばし、通話ボタンを押そうとした。

「もしもし……」

パシッ!

乾いた音が響き、スマホが床へと弾き飛ばされた。

空見灯は弾かれたように目を見開き、恐怖に引きつった顔で隣の男を見上げた。

桐谷憂は床に落ちたスマホを拾い上げ...

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