第十九章

唐沢雪優が空見灯の話を完全に飲み込むまで、たっぷり一時間はかかった。

「極秘結婚上等じゃない。経験値稼ぎだと思えばいいのよ。今回の旦那は桐谷憂だけど、次はどこかの大統領かもしれないしね」雪優は豪快に手を振った。「離婚すれば、あんたは若くて美しいバツイチ富豪よ。男なんて選び放題じゃない? ……でも、あんたの両親には話したの?」

先日、桐谷憂が空見家を訪れた時のことを思い出し、空見灯の表情が曇る。

「あの人たち、まさか桐谷憂相手に何十億もふっかけたりしないわよね?」空見家の守銭奴ぶりを思い出し、雪優は生唾を飲み込んだ。「もしそんなことしたら、あんたたち消されるわよ」

当初、雪優は空見灯の...

ログインして続きを読む