第二十八章
空見家の面々は書類に署名し、拇印を押した。それを見届けると、空見灯はスマホを取り出し、花邑栞の口座へ直接送金を行った。
「備考欄にも書いたけど、これは今までの養育費よ。後になって『もらってない』なんてとぼけないでね」
花邑栞は示談書を懐にしまうと、目元を少し赤くし、しかし妙にきっぱりとした声で言った。
「今日から、私たちは赤の他人ね」
その言葉を聞くや否や、空見灯は病室を後にした。一度も振り返ることはなかった。
花邑栞はスマホの入金画面を見つめながら、少しばかり胸のざわつきを覚えた。
「灯のやつ、本当に私たちと縁を切るつもりじゃないでしょうね?」
「あるわけないだろ。姉貴がどん...
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