第四十四章

病院を出た空見灯は、襲い来る不快感を必死に抑え込みながら、重い足取りで歩を進めた。

鎮痛剤を飲まなければ。それと、温かいお湯も必要だ。彼女は無意識のうちに、通りの向かいにあるドラッグストアへと視線を彷徨わせた。

「何を買うつもりだ? 何日休めばいい?」

桐谷憂が振り返る。その顔色は蒼白で、眉間には深い皺が刻まれていた。

「つまり、身を削って他人を救ったとでも言うのか?」

彼は以前、似たような設定の映画でも観たのだろう。神秘にして偉大なる呪療師、あるいは神と交信できる存在といったところか。

内心では信じていないが、今の空見灯の惨状を見れば、信じざるを得ないといった様子だ。

空見灯...

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